ヤングマン(1)

明治17年、富士山麓。
霊明寺の予言者・お仙は、水晶玉の中に比類なき魔物の姿を見た!! しかし、その水晶玉は魔物を我がものとせんと目論む道士・権助の手に落ちてしまう。
一方、お仙の弟子・五郎は、その魔物の正体を明らかにしようと欲望渦巻く明治の横浜へ旅立つ。
横浜の町にたどり着いた五郎は、生まれてから17年間山篭りをしていたため、見るもの全てにカルチャーショックを受け…!? 六田登が科学文明と人間の関わりを描いた意欲作!! 悪の道師・権助に魂を売った大村は、ゴダールの妹に処女の愛液を飲ませて虜にしようと画策する。
大村は権介の力を借りて美男子の泥人形を作りだし、その人形をつかって処女の愛液を手にいれようとする。
そして、お聖が狙われ連れ去られてしまう。
五郎たちはお聖の後を追おうとするが、ゴダールの手の者が行く手を阻み…!?燃えさかるゴダールの館を抜けだした「若者組」。
しかし、館の焼け跡からゴダールの死体は見つからなかった。
五郎たちは以前ゴダールの馬車に轢かれた子供のもとを訪れ、気の力を使ってを治そうと試みるが、結果はかんばしくないものだった。
何もかもうまくいかず「若者組」の面々は落ち込む。
そんなとき、東京帝大教授・大福念造と言う男が五郎を訪ねてくる。
あれから5年、霞五郎はすっかり落ちぶれてしまった。
彼は人間社会に埋もれて生きることが「比類なき魔物」を見つける方法だと思い、それを実践する。
しかし、当初の目的を忘れて、今では詐欺師のような生活を送っていた。
そんな彼の目の前に、首を切り落とした傷のある大男が現れる。
その男の名は、なんと西郷隆盛。
すでに死んでいるはずの彼を何者かが生き返らせたのだ。
夢のお告げに出てきた、崑崙(こんろん)とはいかなる地なのか? 馬に乗って空を飛ぶ男が、崑崙を目指す五郎とサトの行く手を阻む。
「力」を操るその男はそこを知っているらしい。
彼の力を前にして五郎は太刀打ちできるのか? 中国へと渡り、崑崙を目指す五郎の行く手には、力を持った者たちが次々に現われる。
そして、彼らを通じて、崑崙の正体が徐々に明らかになっていく。
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