水木しげる貸本時代ロマン(1)
忍者たるべく、はるばると伊賀へまいった少年。
道中、忍術評論家と名乗るエライ人間に声をかけられる。
忍者採用試験はきわめて難しく、合格率は千人に一人だと言われ、驚いた少年はこの人物の指導を受けることに――。
第一の問題は川から魚をとってくること、第二の問題はフトンを持ってくること… 少年は次々と問題をクリアするが!?昔、「河童膏」という、打ち身、切り傷にきく膏薬があった。
主な原料は「河童の皿」であったから、薬屋は「河童の皿取り」をする者を、五、六人専門にやとっていた。
鈍太はその店で雇われて半年になるが、まだ一皿もとれないのであった。
しかし、蛇麿といえば、一月に三皿はとってくると言う。
鈍太は首を言い渡されるが…少年が盗もうとしていたサイフの中身は空だった。
捨てるにはもったいない良いサイフ。
道に落ちていた空のサイフを拾った若旦那は、三年の間、することなすことロクなことがなく、事業は失敗し、妻には逃げられ、しがない行商人になってしまった… このサイフに隠された秘密とは…!?野中の一軒家に雨宿りに入った。
出てきた人物は、この家へ移ってきて、かれこれ五年になるが、正確に言うとまだ一年だ、と奇妙な事を話す。
この家は忍者トベの家だったと言う。
忍びがいやになって逃げ出したトベがこの家でどんな事件に巻き込まれたのか。
彼の話は続く…「とかく人の世は住みにくい」と夏目漱石もいっておったが、この言葉はいつの世にもあてはまるものとみえる。
この無人島にも、年貢の重みに耐えかねたのか、二人の「水のみ百姓」が幸福を求めてやってきた…… 果たして善良なる市民は幸福をつかめるのだろうか?続きはこちらから⇒ttp://www.ebookjapan.jp/shop/book.asp?sku=60007854